相対材積の概念とその生長(林学部門)
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概要
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幹の高さをh, 基準直径をd_<0.9>とするとき, 幹曲線Y=F(X)において, x=X/h, y=Y/d_<0.9>とおくと, 相対幹曲線y=f(x)がえられる。このとき, 相対材積はつぎの式によって定義される : [numerical formula]相対材積を用いるときは, 幹材積はv=hd^2_<0.9>θ_<0.9>, 林分材積はV=(θ^^^)-_<0.9>Σhid^2_<0.91>として与えられる。相対材積はまた正形数に代って形状度の指標として用いられ, さらに高さの基準直径に対する比γ=h/d_<0.9>との積ω=γθ_<0.9>をつくれば, それによって幹の完満度をもあらわすことができる。このように相対材積は幹材積や林分材積の基本的な構成因子として位置ずけられると同時に, 幹形の指標としても有効である。相対材積の生長についてはいままで明らかでなかったので, 実験的にその解明を試みた。相異なる2つのスギ人工同齢林分から5本ずつの標本木をえらび(表1,表2), それらに樹幹析解法を適用して得られた齢階毎の測定資料に, 最小自乗法によって5次の多項式をあてはめ(図2,図3), 齢階毎の相対幹曲線を求めた。これより齢階毎の相対材積および関連諸量を計算した結果は表3および表4のとおりである。とくに相対材積の値を齢階毎に示し, その平均値を求めると表5および表6のとおりである。表5および表6の平均値を用いて相対材積の生長過程を曲線で示すと図8のようになる。これによって相対材積が生長すること, およびその生長過程は林分によって異なることが明らかにされた。またγおよびωの生長過程については, 個体間の変動が大きいが, 相対材積のそれについては, 同一林分内では, 個体間の変動は大きくないことが明らかにされた。
- 京都府立大学の論文
- 1974-10-31
著者
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