今須林業の経営環境と択伐林分の構造に関する調査報告(林学部門)
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概要
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スギ, ヒノキの択伐作業によって古くから知られている, 岐阜県不破郡関ケ原町今須地区の林業について, その経営環境と択伐林分の構造を調査した。その結果つぎの諸点が明らかになった。1)約2200haの山林は, 約270戸の農林家によって分割所有されており, 所有形態は小規模分散的である。2)最近20年間に, 農家戸数は19%減少し, また就業構造も大きく変化したにもかかわらず, 育林労働は地区内において, ほとんど完全にまかなわれている。3)木材の生産および販売は, 地区内の製材兼伐出業者によって行なわれる。したがって今須林業にあっては, 育林から木材の生産, 加工, 販売に至るまで, 全て地区内において完結せられる。4)地区内の択伐林面積は約770ha, 全森林面積の約36%である。これらは海伐高400m以下の, 地利的に惠まれた地域に分布している。5)今須の択伐林には, 典型的な択伐林型から, 一斉林型に近いものまで, 種々の段階のものがみられる。3ケ所の標準地について林分構造を調査した結果, 今須の択伐林について一つの構造モデルを提示した : 主木の本数 : 950/ha主木の蓄積 : 320m^3/ha主木の蓄積分配 : 大径木 50%, 中径木 30%, 小径木 20%主木の直径分布の分布関数 : P(x)=0.19 Exp (-0.08x)。
- 京都府立大学の論文
- 1977-11-30
著者
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