林道の最適密度に関する研究(1) : 標準モデルについて
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概要
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林道の最適密度を決定するために矩形モデルの中央に林道を開設した場合(Fig. 1)について, 集材作業費と林道経費の和が最小になる点を求めた。最適密度の値を左右する因子としては, 次の3因子を考え, それぞれ次の値を想定した。すなわち, 平均蓄積50 m^3/ha, 100 m^3/ha, 150 m^3/ha, 林道経費5,000 円/m, 10,000 円/m, 15,000 円/m, 林道建設費償却年数10 年, 15 年, 20 年である。なお, 林動経費は建設費の他ほか利子, 維持補修費を含めるものとする。また, 償却年数は林道建設に対する国庫補助金の返済年数を基準とした。また集材距離と集材作業費の関係については国有林における資料(昭33)より(Table 1,Fig. 2)求めた。その結果, それぞれの因子の組合わせに対する林道の最適密度が得られた(Fig. 3,4)。平均蓄積が50 m^3/ha程度の所では林道償却年数を20 年としても最適密度は20 m/ha以上とならず, 北海道, 九州のように集材作業費が内地にくらべて高い所でもわずかに20 m/haをこえる程度である。平均蓄積が150 m^3/haとなると最適密度は増大し40〜50 m/haになるが, 平均蓄積の増大は一般に奥地移行を意味するので林道建設費も増大し最適密度はほとんど増大しないと考えられる。以上のことから最適密度としては一般的に25 m/ha程度が目標となろう。なお, この研究は林道に直角に集材される場合の報告で, 林道終点の奥に更に集材区域の存在する場合には多少その結果を異にすると思われる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1963-09-25
著者
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