標本調査によるスギの単木および林分枝葉量の推定
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概要
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この研究の目的は標本調査によつてスギの単木および林分の葉量, 緑軸量, 枝量を推定することである。単木の推定 : 立木を伐倒後, 樹冠長をh等分し層化する。各層ごとに葉ツキ枝(A_h)をほぼ均等な大きさのM_hコの束にわけ, 1次抽出単位とする。この中からm_kコの単位(葉ツキ枝 : a_<hj>, 葉緑部 : lg_<hj>), 枝 : b_<hj>を無作為に抽出する。次に1次標本の葉緑部をN_<hj>個のほぼ均等な大きさの束にわけ, 2次抽出単位とする。この中からn_<hj>コの単位(葉緑部 : lg_<hjk>, 葉 : l_<hjk>, 緑軸 : g_<hjk>)を無作為に抽出する。その木の葉量を, L_T, 緑軸量をG_T, 枝量をB_Tとし, それらの分散をV(L_T), V(G_T), V(B_T)とすれば, L_T'…(1)式 V(L_T')…(2)式 B_T'…(3)式 V(B_T')…(4)式 によりもとめられ, G_TとV(G_T)は(1)式(2)式のl_<hjk>をとg_<hjk>に代えることによりもとめられる。h=3,M_h=3〜5,m_h=1,N_<hj>=3〜5,n<hj>=1でL_T'はC=0.05,B_T'とG_T'は0.1以下で推定できる。林分の推定 : 立木数Q本の林分より無作為にq本の標本木を抽出し, 葉量(L_<Ti>'), 緑軸量(G_<Ti>')および枝量(B_<Ti>')を前法により推定する。標本木の胸高断面積をS_i, その林分の胸高断面積合計をS_Tとし, 林分の葉量をL_<ST>, 緑軸量をG_<ST>, 枝量をB_<ST>とし, それらの分散をV(L_<ST>), V(G_<ST>), V(B_<ST>)とすれば, L_<ST>"…(5)又は(8)式 V(L_<ST>")…(6), (7)又は(9)式によりもとめられ, G_<ST>", V(G_<ST>")およびB_<ST>", V(B_<ST>")は上式のL_<Ti>'をG_<Ti>', B_<Ti>'に代えることによりもとめられる。林分の枝葉量をC=0.1の精度で推定するにはQ=50のとき8〜9本の標本木をとればよい。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1959-04-25
著者
-
蜂屋 欣二
林試
-
蜂屋 欣二
農林省林業試験場
-
安藤 貴
林試四国支場
-
安藤 貴
農林省林業試験場四国支場
-
福田 英比古
鳥取県林試
-
蜂屋 欣二
日本林業技術協会
-
土井 恭次
農林省林業試験場北海道支場
-
福田 英比古
(現)鳥取県林業試験場
-
土井 恭次
農林省林業試験場
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