風害跡地二次林を構成する樹種の再生様式 : 前生樹割合、成長速度、閉鎖林冠部での稚樹密度にもとづいて
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概要
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北海道苫小牧地方の風害跡地再生二次林を構成する樹種の再生様式について明らかにするために、二次林で上木(〃≧2.Om)、成熟林の閉鎖林冠部で上木(H≧2.Om)、稚樹(H<2.Om)の本数を樹種別に調査するとともに、二次林を構成する個体の樹齢解析を行った。成熟林のギャップでも上木(H≧0.4m)の本数を樹種別に調べた。1954年に起こった風害の跡地に再生した二次林を構成する個体における前生樹の割合、そして閉鎖林冠部での稚樹密度にもとづいて二次林の構成種を次の3グル一一プに区分した。前生樹の割合が40%以上で、稚樹密度が30本/100m^2以上の樹種(Aタイプ)、前生樹割合が5%未満で、稚樹密度が0.2本/100m^2以下の樹種(Cタイプ)、そしてAタイプの樹種とCタイプの樹種の中間的な前生樹削合と稚樹密度を示す樹種(Bタイプ)である。Aタイプの樹種は二次林だけでなく閉鎖林冠部、ギャップでも上木の出現頻度が高かった。Cタイプの樹種の上木の出現頻度は閉鎖林冠部、ギャップで低かったが、二次林では高かった。Bタイプの樹種はAタイプとCタイプの中間的な出現パターンを示していた。Aタイプの樹種はCタイプの樹種に比べて成長速度が遅い傾向が認められ、樹種特性としての耐陰性と成長速度の間にトレードオフの関係が成り立つことが示唆された。以上の結果から、Aタイプの樹種は非先駆性樹種、Cタイプの樹種は先駆性樹種、そしてBタイプの樹種は中間的な樹種であることが示唆された。
- 1994-11-01
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