風害跡再生二次林の林分構造と種組成の特徴
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概要
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1954年の風害跡地に再生してきた二次林の種組成と構造における特徴を明らかにするために,二次林に39個,二次林と比較するために成熟林にも13個,それぞれ100m^2の方形区を設定し調査を行なった。立木密度,胸高断面積合計は二次林と成熟林で大きく異なっており,立木本数は二次林が約2倍,胸高断面積合計は成熟林が約3倍ほど大きな値を示していた。この様な差異は,胸高直径5-20cmの層で特に顕著であった。組成的には二次林,成熟林で共通する樹種が多かったが,ミヤマザクラ,ダケカンバ,キハダなど,主として二次林で優占する樹種も認められた。単位面積当りの種数,均等度は二次林で大きな値を示し,成熟林に比べて多様性が高いことが明らかになった。二次林では,密度依存,サイズ依存的な枯死により,特に下層(胸高直径5cm未満,樹高2-4m)で多くの枯死水が発生していた。以上の結果から,風害後31年を経過した時点では,二次林が構造的に未発達で遷移段階の初期にあることが示唆された。また今後,種組成や構造における大きな変化をともないながら二次林が発達していくものと予想された。
- 1990-12-25
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