ミズナラを優占種とする冷温帯広葉樹林の構造と動態
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概要
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ミズナラ,ブナ,イスブナが優占する冷温帯広葉樹林における個体のサイズ,及び樹齢について構造解析を行なった。齢構成には更新が集中する時期が認められ,調査林分が160〜170年前に調査地全域にわたる撹乱を受け,撹乱後はミズナラ,ブナ,イヌブナを主要な構成種とする二次林として発達してきた林分であると考えられた。ただし,調査地は組成,構造的に異質な部分から構成されており,撹乱の規模は調査地内でも異なっていることが示唆された。撹乱後,より早い時期に定着した個体ほど初期の成長率が高いことから,撹乱後の侵入,定着時期が種の優占度に大きく関与するものと考えられた。最近10年間は林分の林冠層を形成しているサイズの大きな個体ほど成長率が大きく,より小さな個体では成長率が低下し被圧状態にあることがわかった。調査した林分は,今後外的な撹乱が加えられない限り,構成種の成長率,寿命,最大サイズから判断してミズナラ,ブナが優占する林分として推移することが予想される。
- 岐阜大学の論文
- 1989-12-25
著者
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