利用価値分析による森林経営基盤整備計画のシステム化(II) : 滋賀県下の森林組合を対象とした森林経営環境構造解析

概要

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本研究は, 農山村地域における森林経営環境の改善・整備を目的とし, 「生産面」と「生活・環境面」を一体化させた整備計画策定のためのシステム技術とその評価法について, 滋賀県下の12森林組合を対象に検討した。利用価値分析法を用いた本解析は, 1)目的組織表編成による整備目標の体系化, 2)評価基準としての測定指標の尺度化, 3)評価基準ごとの重要度・選好性に基づく重み付け判定, 4)利用価値数による総合評価をその基本型とする。当該森林組合に対する実態調査結果に基づき, 整備計画策定のための評価基準および測定指標を確定し, 問題解決のための目的組織表の一試案を提示した。次に, 行政側および組合側双方の提案による重み付け代案をもとに, 評価基準・森林組合別の利用価値数を推定, 森林経営環境状況の比較や序列化, また一方で, 部分利用価値による細部構造診断とその対処法についても包括的な議論を展開した。その結果, 整備計画策定のシステム化法として, 利用価値分析を用いた本解析が有効な手段であることが確認された。
日本森林学会の論文
1993-09-01