DEA(Data Envelopment Analysis)を導入した伐出生産効率性の多次元評価法に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
DEA(Data Envelopment Analysis) は、多入力・多出力システムの相対的効率性測定のための数理モデルの一つであり、線形計画法に基づいてDMUs (Decision Making Units) と呼ばれる一群の意思決定主体の評価を行う手法である。本研究では、このDEAの基本的な考え方についてまず紹介し、実際の応用に際しての問題点のいくつかについて検討した。三重県下の素材生産事業体の伐出作業を解析事例とした結果、効率的フロンティアの同定、異なる作業システム間の効率性比較、効率的フロンティアを基準とした非効率的DMUsへの改善案の提示等、DEAが各事業体の特徴や生産環境を考慮した実用的な評価を可能にすることが示された。DEAに関する文献は既にかなりの量に上がっているが、森林・林業を対象とする我が国の研究分野ではほとんど知られていない。本論では、近年の複雑な森林資源の利用状況の下、厳しい課題(生産活動の再構築と抜本的な生産効率性の改善)に直面している素材生産事業に対し、特に伐出作業における効率性の評価と改善の二面にスポットを当て、DEAによる解決法の可能性を明らかにした。Date Envelopment Analysis (DEA) is a linear programming based upon technique for measuring the relative efficiency contained in the multiple outputs and inputs generated by managed entities called DMUs (Decision Making Units).This paper introduces the technique and focuses on some of the key issues that arise in applying DEA in practice. Some illustrations of the practical applications of these results to the estimation of the relative efficiency for timber harvesting operations practiced at the local level in Mie Prefecture are also provided to emphasize the advantage of this method in examining specific segments of the efficient production surface.There exists a very large volume of literature on DEA, but there are few reports of practical application of DEA analysis in a field of economic analysis of forest management. By presenting a case study based on real data, this paper provides a comprehensive and practical guide to the use of DEA in solving real problems encountered by the forestry production sectors, such as the timber harvesting contractors, which in recent year have been forced to strive for greater efficiency, and better managerial control and decision making in the face of increased competition and dwindling forest resources.
著者
関連論文
- 日本における RMZ (Riparian Management Zone) 管理 : FSC認証森林事例からの提言
- 不定形伐区の幾何的形状特性と集材距離との相互関係
- 持続可能な森林管理への森林認証および森林収穫実行規約の互換性
- 森林計画学会・森林利用学会合同シンポジウム概要報告
- 日吉型団地化施業の導入における現状と課題
- オブジェクトベースの画像解析による樹冠疎密度区分 : 樹冠疎密度判定法の検討
- eCognitionを導入した森林管理・作業空間領域の細部構造の自動判別--解析法の枠組みと応用性 (〔森林利用学会〕研究発表会特集号)
- 長伐期育成循環型人工林の収穫計画・配分モデルについて (〔森林利用学会〕研究発表会特集号)
- 研究・技術資料 FSC森林認証・CoC制度の展開と森林管理・林業生産活動への影響--国際的動向
- SFM(Sustainable Forest Management)を志向した人工林収穫計画のシミュレーション解析
- 森林利用学会シンポジウム質疑応答記録
- デジタルオルソデータを用いた簡易型画像解析法による林道からの流出土砂分布および移動距離の時系変化評価
- IUFRO第3部会中間役員会議について
- 誕生の背景から考えるビオト-プ (特集 生物多様性の保全と森林の取り扱い-1-)
- 高性能林業機械による伐出作業システムの最適化に関する研究 : 緩傾斜地における作業事例
- 地理的最適化手法を応用した林内路網配置の評価法
- 森への道
- 利用価値分析による森林経営基盤整備計画のシステム化(III) : 三重県下の森林組合を対象とした森林経営環境構造解析
- 代案比較による林内路網計画と評価法の最適化について(V) : 利用価値分析による三重大学演習林の代案路網計画評価
- 利用価値分析による森林経営基盤整備計画のシステム化(II) : 滋賀県下の森林組合を対象とした森林経営環境構造解析
- 建設業界における森林認証製品普及の展望
- 琉球大学農学附属亜熱帯フィールド科学教育研究センター(研究トピックス)
- DEA(Data Envelopment Analysis)を導入した伐出生産効率性の多次元評価法に関する研究
- 三重県下の山村地域における道路交通網の機能構造解析と森林経営環境整備--AHP法を導入した林道網の多属性便益構造解析
- デジタルオルソデータを用いた簡易型画像解析法による林道からの流出土砂分布および移動距離の時系列変化評価.
- オブジェクトベースの画像解析による樹冠疎密度区分 : 樹冠疎密度判定法の検討
- eCognitionを導入した森林管理・作業空間領域の細部構造の自動判別 : 解析法の枠組みと応用性(研究発表会)
- 長伐期育成循環型人工林の収穫計画・配分モデルについて(研究発表会)
- FSC森林認証・CoC制度の展開と森林管理・林業生産活動への影響 : 国際的動向(研究発表会)
- ボランティアのための間伐材簡易搬出法の開発(研究発表会)
- 日本におけるCoC認証の展開 : 紙パルプ業界におけるFSC-CoC認証を中心に
- 森林の経営管理に与える森林認証制度の諸影響について : 国内の2認証スキーム(SGEC,FSC)の認証審査結果分析から
- FSC森林認証審査結果から見たわが国の森林管理の諸課題
- 森林組合の木材製品販売事業への森林認証取得の影響について : 森林管理協議会FSCのCoC認証取得の5森林組合を事例に
- 平成11年度森林利用学会シンポジウム質疑応答記録(シンポジウム記録)