光条件の異なる二つのモミジイチゴ個体群の構造と種子生産
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概要
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茨城県筑波山の東斜面中央部において, 光環境の異なる場所に発達した二つのモミジイチゴ個体群の形成, 構造および種子生産を調べた。相対照度が84%の開放区個体群の現存量は, 乾重で462g/m^2,相対照度が6%の閉鎖区個体群では175g/m^2であった。旧茎部に対する新茎部の割合は, 開放区個体群では85%であったのに対し, 閉鎖区個体群では43%であった。このことから開放区の個体群は, ほぼ安定した動的平衡状態にあり, 閉鎖区の個体群は, 衰退しはじめたとみられた。開放区個体群の地上茎は, 閉鎖区個体群の同じサイズの地上茎よりも多くの漿果を生産し, また, その漿果に含まれる種子数も多い。年間の種子生産数は, 開放区個体群で33,400粒/m^2,閉鎖区個体群で3,800粒/m^2と推定された。
- 日本森林学会の論文
- 1989-09-01
著者
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