カフ付気管支ファイバースコープを用いた気管支内加圧による無気肺の治療

概要

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喀痰により気管支閉塞をきたして生じた急性無気肺のうち、喀痰除去後も再膨張し難い無気肺を膨張させるには、critical opening pressure以上のtranspulmonary pressureを加える必要がある。その為には選択的気管支内加圧が効果的である。その際の圧の作用機転としては、当該気管支内圧が増加しても、pleural surface pressureの成分として、著者らの提唱するpleural contact pressureが殆んど増加しないため、transpulmonary pressureを効果的に増加させ得るからである。その方法として、気管支ファイバースコープの先端近くに試作したカフを装着し、生検チャンネルからの送気により選択的気管支内加圧を可能とした。本法をX線テレビ透視下で15症例に行ない、14例に再膨張が得られた。しかし喀痰喀出障害等の無気肺の原因が存続する場合には容易に再発をみた。従って再膨張後も再発予防処置が重要で、保存的処置の外、症例に応じてIPPB、PEEP、PITC、気管切開等を行なう必要がある。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1982-05-25