セラトロダストが有効であったと思われた慢性咳嗽の 1 例 : 鑑別診断に関する考察

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概要

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症例は43歳女性。約3ヵ月間続く喘鳴・呼吸困難のない慢性咳嗽で来院。胸部X線および呼吸機能検査に異常所見なく, 喀痰中好酸球陽性で, 咳喘息か非喘息性好酸球性気管支炎を疑った。アストグラフ法による気道過敏性の指標のDminは, 18.7単位とほぼ正常値を示した。しかし, 咳日記とピークフローの記録により, β_2受容体刺激薬吸入が咳嗽に有効であること, 早朝のピークフローが標準値の約70%であることが判明した。さらにトロンボキサンA_2受容体拮抗薬のセラトロダストの内服により, 咳嗽の減少とピークフローの増加を認めた。治療後の気道過敏性の指標のDminは, 50単位に改善した。治療前後の所見・経過から, 慢性咳嗽の原因として, 咳喘息が強く示唆された。また慢性咳嗽にトロンボキサンA_2受容体拮抗薬が有効な症例があることは, 臨床的に重要と考え報告した。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1999-01-25

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