肺サルコイドージス症における気管支粘膜下の血管変化の研究 : 気管支フィバースコープによる検索
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概要
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サルコイドージスは原因不明の非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を主病変とする全身系統的疾患である。最近本症のもう一つの特徴的病変としてmicroangiopathyがあげられている。著者らは肺サルコイドージス18例をもとに、気管支粘膜下の血管変化について気管支ファイバースコープを用いて検索した。その結果、次の特徴的所見と成績を得た。1) 全例の82%に血管変化をみた。これは他のサルコイドージスにみられる気管支粘膜の病変と比べて極めて高率である。2) この血管変化はBHLの影響の極めて少いサルコイドージスの本来の病変である。3) 血管変化の特徴として正常者に比べて拡張した血管の数が極めて多く、それら血管は不規則、屈曲、交叉して、交叉部は厚く盛り上っていることがある。4) 組織学的にも血管の増生、拡張がみられ、また血管内にリンパ球、組織球の集簇が確認された。5) 血管の交叉部が盛り上って肉芽様になっている部の生検から非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明した。以上の成績より気管支粘膜下の血管変化はサルコイドージス本来の変化で極めて特徴的でありmicroangiopathyの可能性がある。
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 1981-09-01
著者
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佐藤 哲夫
東京慈恵会医科大学 呼吸器内科
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田井 久量
東京慈恵会医科大学 医学部 呼吸器内科
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田井 久量
東京慈恵会医科大学 呼吸器内科
-
今泉 忠芳
ランドマーク・クリニック
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井田 徹也
東京慈恵会医科大学第三病院内科第一講座
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荻原 正雄
東京慈恵会医科大学第3分院内科
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堀口 正晴
東京慈恵会医科大学第3分院内科
-
田井 久量
慈恵医大第三病院内科
-
今泉 忠芳
東京慈恵会医科大学第3分院内科
-
堀口 正晴
慈恵医大第3病院内科
-
佐藤 哲男
東京慈恵会医科大学第3分院内科
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井田 徹也
東京慈恵会医科大学第三分院内科
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田井 久量
東京慈恵会医大第三病院内科第2講座
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