白血病・悪性リンパ腫に合併した肺野の異常陰影に対する気管支肺胞洗浄法の診断的意義

概要

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胸部X線写真上異常陰影を合併した白血病群16例, 悪性リンパ腫群9例に気管支肺胞洗浄(BAL)法を実施し, 洗浄液の細胞分画や細菌学的検査を行った。異常陰影は白血病群ではび慢性陰影が多く, 悪性リンパ腫群では結節, 塊状から限局的実質性陰影が多かった。気管支肺胞洗浄液(BALF)の細胞分画はいずれの群もマクロファージ比率の減少と, リンパ球比率の増加を認めた。BAL液の異常所見を症例別に検討すると, 腫瘍細胞を検出した例は白血病群18.8%, 悪性リンパ腫群33.3%, 病原体を検出した例はそれぞれ37.5%, 22.2%, 赤血球及びヘモジデリン貪食マクロファージを認め出血と考えられた例は18.8%, 11.1%, 上記3所見は認めないがリンパ球の増加など細胞分画に異常を認めた例は18.8%, 11.1%だった。原疾患への治療との関連では出血や感染は治療後に多く, 腫瘍浸潤や分画異常は治療前に多かった。検査対象のうち約90%になんらかの異常を検出し, BAL液の詳細な分析は有用で安全な手段と考えられた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1993-03-25