着手記号列の出現頻度に基づく囲碁棋譜からの定型手順獲得(<特集>ゲームプログラミング)

概要

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囲碁は探索空間が広くまた静的局面評価が難しいため,定石,手筋,石の形といった様々なパターン知識の使用が不可欠となる.これまで,このようなパターンは,定石書などから人手で収集したり,ごく狭い固定された窓の範囲内で形パターンを獲得するといった手法がとられていた.しかし,これらの手法では長さの異なる様々な手順パターンを効果的に収集することは難しいため,棋譜から定型的であると認められる手順を網羅的に獲得する手法の確立が望まれる.本論文では,棋譜を着手ごとの着点が符号化されてできた文字列(棋譜テキスト)であるととらえ,部分文字列のn-gramに基づいて手順の定型性を評価することによって定型手順の獲得を行う手法を示す.本論文で提案する手法は,固定窓のような局面範囲の限定を必要とせず,長さの異なる様々な定型手順を棋譜から直接抽出できるという特長を持つ.そして,日本棋院「棋譜データ集96」に収録されている全棋譜(約34,000局,総手数約700万)を対象として行った定型手順抽出実験の結果より,本手法の有効性を検証する.
一般社団法人情報処理学会の論文
2002-10-15