並列処理に適した配列範囲記述子quadの提案と評価(プログラミング言語の実装技術)
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概要
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プログラマに対して共有メモリを提供するプログラミング言語を, 計算機クラスタなどの分散メモリ環境に実現する手段として, コンパイラによって共有メモリへのアクセス情報を収集して, 読み出しアクセス前までに, データを消費するプロセッサのメモリ領域にそのデータを移動させる方法が考えられる.この方法は, データアクセス範囲を適切に表現し, それに基づいて移動すべきデータを特定することで, データ転送を必要最小限に抑えることが可能である.本論文では, コンパイラ内部でアクセス情報を表現するための配列範囲記述子quadを提案する.quadは, 並列プログラムの実行中に発生するアクセス・パターンを簡潔に表現できる特長を持つ.コンパイラは, 依存関係にあるデータを適切に移動させるため, まず書き込みアクセスおよび読み出しアクセスを表現するquad間の積演算により転送すべき配列範囲を求め, 対応する通信コードを生成する.本論文では, 複数の並列応用プログラムを用いて, 実行中にネットワークを介して転送されたデータ転送量, および記述子間の演算コストを基にquadの有効性を評価した.その結果, quadは並列プログラムで出現する典型的なアクセス・パターンを簡潔に表現することができ, 従来の配列範囲記述子BRS1に比べて記述子間の演算コストを, BRS2に比べてデータ転送量を大幅に軽減できることを示した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2005-05-15
著者
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米澤 直記
神奈川大学理学部情報科学科
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和田 耕一
筑波大学システム情報工学研究科
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和田 耕一
筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻
-
和田 耕一
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
-
米澤 直記
神奈川大学大学院理学研究科
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