ワイヤレス通信環境における選択的マルチメディア通信方式の実装 (<特集>マルチメディア分散・協調コンピューティング)

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モーバイルコンピューティング環境, ワイヤレス通信環境でもマルチメディアを利用したいという要求が高まっている. しかし, ワイヤレス通信環境は帯域幅が狭く, バースト誤り, 移動時のハンドオフにより転送の途切れが生じるという問題があり, マルチメディア通信の扱いは難しい. 帯域幅, 遅延などのサービス品質が保証されないネットワーク上でマルチメディアを扱うため, ネットワークの提供するサービス品質に適応する符号化, データ転送手法が提案されている. しかし, これらの手法はマルチメディア情報の中身を考慮せずに適応処理を行うため, ユーザが重要な情報を獲得し損なうことがあるという欠点がある. 本研究は狭帯域環境において効率的にマルチメディア情報にアクセスする選択的マルチメディア通信方式を提案するものである. マルチメディア情報のシーンごとに, その意味的重要度に基づいて優先度を与える. 本方式は, その優先度に基づいた選択的転送, 先読み, キャッシングを行う. 利用可能帯域幅の範囲で, 優先度に基づいた選択的なマルチメディア転送が行われるので, 重要なシーンは比較的高品質な再生を行うことができる. 高優先度の情報を先読みすることにより, 転送の途切れが生じても再生を続行させることができる. キャッシングにより, 巻きもどし時のマルチメディア再生の品質を向上させることができる. 本方式のプロトタイプを実装し, 評価実験を行ったので, それについても報告する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1998-02-15

ワイヤレス通信環境における選択的マルチメディア通信方式の実装 (<特集>マルチメディア分散・協調コンピューティング)

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