タイおよびマレーシアのササゲ (Vigna sesquipedalis) より分離された blackeye cowpea mosaic virus と日本分離株との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
汁液伝染性のウイルスがタイおよびマレーシアのモザイク症状を示すササゲから分離された。このウイルスの寄生範囲は比較的広かったが, 全身感染する植物はマメ科に限られていた。粗汁液中の不活化限界は耐熱性 55-65C (10分), 耐希釈性10^<-4>-10^<-5>, 耐保存性1-3日 (20C) であった。ウイルス粒子の形態は長さ約750 nmのひも状であり, アブラムシで非永続的に伝搬された。タイで分離された株はササゲ (ブラックアイ) で種子伝染 (約2%) したが黒種三尺ササゲではしなかった。感染細胞の細胞質中には風車状および環状の封入体が多数認められた。3, 5ジョードサリチル酸リチウムを含む寒天ゲルを用い, 血清学的性質を調べたところ, 本ウイルスは blackeye cowpea mosaic virus (BlCMV) の Florida株, bean common mosaic virus, azuki bean mosaic virus, および cowpea aphid-borne mosaic virus (CAMV) の東京株の抗血清と強く反応したが, soybean mosaic virusの抗血清とは弱く, CAMV の Morocco 株と potato virus Y の抗血清とは反応しなかった。以上の結果から本ウイルスはBlCMVと同定された。またCAMVの東京株 (土崎ら1970) はBlCMVの Florida株の抗血清と強く反応したが, CAMV の Morocco株の抗血清とは反応しなかったことから本株はBlCMVであると考えられた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1984-10-25
著者
-
岩木 満朗
農業環境技術研究所
-
Ong C.A.
マレーシア農業研究開発研
-
土崎 常男
農業研究センター
-
仙北 俊弘
熱帯農業研究センター農業環境技術研究所
-
PHOLAUPORN Surapee
タイ農業局
-
SRITHONGCHI Wanpen
タイ農業局
-
DEEMA Nuanchan
タイ農業局
-
ONG Ching
マレーシア農業研究開発研究所
-
仙北 俊弘
熱帯農業研究センター
-
仙北 俊弘
国際農研
-
Pholauporn S.
タイ農業局
-
Srithongehi W.
タイ農業局
-
Deema N.
タイ農業局
-
岩木 満朗
農業環境技研
関連論文
- (5) スイカ灰白色斑紋病の病原について (秋季関東部会講演要旨)
- 新農業資材の適用性に関する研究 : Ⅰ シルバーストライプ入りマルチフィルムが小豆のウイルス病防除効果と生育収量に及ぼす影響
- Peanut chlorotic ring mottle virus の RNA と外被蛋白の諸性質
- (235) マレーシアのダイズおよびラッカセイから分離されたウイルス (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (265) タイのラッカセイから分離された peanut mottle virus (PnMV) と数種ウイルスとの比較 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (17) タイのラッカセイから分離された peanut mottle virus と tomato spotted wilt virus について (夏季関東部会講演要旨)
- (168) チューリップモザイク病の診断方法について (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (190) Tungroグループのイネ諸ウイルス病に見出される2種類の粒子 (昭和51年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ソテツえそ萎縮ウイルス-ソテツに発生した nepovirus グループの未記載ウイルス 寄生範囲, 純化, 血清関係, その他の諸性質
- (195) Mung bean yellow mosaic virus の核酸 (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 免疫学的方法によるイネ萎縮病ウイルス罹病イネ中のウイルスRNAの検出
- (168) 免疫学的方法による罹病イネ中のイネ萎縮病ウイルスRNA(RDV-RNA)の検出 (昭和49年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (69) 液体窒素による凍結の鞭毛菌類の生存に及ぼす影響 (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (12) 植物病原糸状菌の乾燥保存における分散媒特に糖類の検討 (昭和60年度地域部会講演要旨(秋季関東部会))
- (67) 植物病原菌の保存植物病原糸状菌の保存方法の検討 (2) (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (4) 植物病原菌の保存 : (1) 植物病原糸状菌の保存方法の検討 (秋季関東部会講演要旨)
- キュウリモザイクウイルス(CMV)の弱毒系統を用いたCMVによるトマトモザイク病の防除
- (185) 強毒CMVに対してCMV-SRが示す圃場トマトでの干渉効果 (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (40) トマトに糸葉症状を生じる CMV に対する CMV-SR の干渉効果 (秋季関東部会講演要旨)
- ホウレンソウに縮葉症状を起こすキュウリモザイクウイルスの1系統 (CMV-SR)
- (218) CMV の一系統に起因するホウレンソウの縮葉症について (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ダイズ退緑斑紋ウイルスの2本鎖 DNA の性状
- わが国における Potato mop top virus の発生とその2, 3の性質
- (195) わが国に発生した potato mop top virus の2,3の性質 (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ソテツえそ萎縮ウイルスのウイルス粒子, 核酸及び外被蛋白質の諸性質
- (34) トルコギキョウえそウイルスの諸性質について (昭和60年度地域部会講演要旨(秋季関東部会))
- (31) ソラマメウイルトウイルスの病徴および血清学的性状について (昭和60年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- (150) トルコギキョウに発生した3種ウイルス (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (35) Tomato spotted wilt virus の ELISA法による検出 (秋季関東部会講演要旨)
- タイおよびマレーシアのササゲ (Vigna sesquipedalis) より分離された blackeye cowpea mosaic virus と日本分離株との関係
- (266) タイのナス科植物に発生したコナジラミ伝搬性病害 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (242) ダイズ退緑斑紋ウイルスの2本鎖 DNA (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (207) タイ国で分離した blackgram mottle virus の 2, 3の性質 (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (227) Mungbean yellow mosaic virusの2, 3の性質 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネragged stuntウイルス : 植物レオウイルス群に属する新しいウイルスについて
- (198) イネragged stuntウイルス(RRSV)の諸性質と血清反応について (昭和54年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 北海道におけるダリアのウイルス病
- (24) 北海道におけるダリアのウイルス病について 第二報 (昭和51年度地域部会講演要旨(北海道部会))
- イネ葉鞘および Rice tarsonemid mites, Steneotarsonemus spinki Smiley (ダニ目, ホコリダニ科) から分離されたウイルス様小球形粒子について (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (205) 愛知県のダイズに発生したダイズ退緑斑紋ウイルス(新称)について (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (233) イネ葉鞘およびホコリダニの1種Sleneotarsonemus spinki Smileyから分離されたウイルス様小球形粒子について (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (33) イネ ragged stunt ウイルス罹病イネから分離される35nm球状粒子について (北海道部会講演要旨)
- インゲン“大福”の蔓枯れ症状の病原ウイルスについて
- イネ Ragged Stunt ウイルスの宿主範囲
- (16) Rice ragged stunt virus (RRSV)のイネ科植物への接種 (北海道部会講演要旨)
- クロスジツマグロヨコバイ(Nephotettix nigropictus Stål)、トビイロウンカ(Nilaparuata lugens Stål)胚子の組織培養について
- イネ grassy stunt ウイルスに関する研究 (第1報)
- (193) イネgrassy stuntウイルス粒子について (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (238) 日本, タイ, マレーシアのササゲより分離されるblackeye cowpea mosaic virus (BICMV)と, BICMV, bean common mosaic virus, azuki bean mosaic virusの関係 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (202) わが国におけるpotato mop-top病の発生 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- スイセンから分離されたウイルス 第5報 : Arabis mosaic virus について
- スイセンから分離されたウイルス : 第4報 Tomato black ring virus について
- (123) スイセンから分離されたarabis mosaic virus の Xiphinema bakeri による伝搬
- (18) 宮城県亘理地方におけるイチゴ根部のtobacco necrosis virusによる感染 (夏季関東部会講演要旨)
- (151) スイセンから分離されたウイルス 第7報 : Narcissus yellow stripe virusおよび8種ウイルスの分布概況 (昭和47年度 日本植物病理学会大会)
- スイセンから分離されたウイルス : 第3報 Cucumber mosaic virus,tobacco rattle virus, broad bean wilt virus について
- (5) タイのダイズに発生した soybean crinkle leaf 病について (秋季関東部会講演要旨)
- (264) タイ国の winged bean から分離されたキュウリモザイクウイルス (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (250) クワ輪紋ウイルスのRNA成分 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (12) クワモザイク病 (輪紋・ひた葉・糸葉・黄葉症状) の埼玉県における分布及びクワナガハリセンチュウによる伝搬 (夏季関東部会講演要旨)
- (249) ソテツえそ萎縮ウイルスの血清学的性質と核酸・蛋白質 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- わが国におけるレタスビッグベイン病の発生とその土壌伝染
- (31) わが国におけるlettuce big vein病の発生とその土壌伝染 (昭和51年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- (32) Tobacco necrosis virusによるチューリップのえそ病の発生 (昭和51年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- (6) スイセンから分離されたウイルス : (第5報) Tomato black ring virusについて (夏季関東部会講演要旨)
- (169) Tomato ringspot virusのXiphinema americanumによる伝搬の様態 (昭和46年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- スイセンから分離されたウイルス : 第2報 Tomato ringspot virus とその Xiphinema americanum による伝搬について
- (17) スイセンから分離されたtomato ringspot virusとそのXiphinemaa mericanumによる伝搬について子 (秋季関東部会講演要旨)
- スイセンから分離されたウイルス : 第1報 スイセン・モザイク・ウイルス
- ニンジンから分離されるウイルス : 1. セルリー・モザイク・ウイルスとキュウリ・モザイク・ウイルス
- (8) スイセンから分離されたウイルス : 第4報 broad bean wilt virus について (秋季関東部会講演要旨)
- 製品たばこに含まれるタバコ・モザイク・ウイルスの系統の検討, とくにトマトのモザイク病の伝染源に関連して
- クロタラリアから分離されたインゲン・黄斑モザイク・ウイルスとタバコ・輪点・ウイルス
- (13) スイセンから分離されたウイルス 第1報 : スイセン・モザイク・ウイルスおよびキュウリ・モザイク・ウイルスについて (秋季関東部会)
- (18) ニンジンに発生のみられた3種ウィルス-ニンジン・黄化病・ウイルス, セルリー・モザイク・ウイルス, キュウリ・モザイク・ウイルスについて (昭和42年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- (124) トマト種子のタバコ・モザイク・ウイルスによる汚染 (ウイルス病(昭和42年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- (6) アマリリスのモザイク病の病原ウイルス (昭和41年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- (5) ビニール栽培トマトのTMVによる根部感染状況 (昭和41年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- トマトのモザイク,えそ症状株から分離されるウィルス,とくにtobacco mosaic virusのトマト系について
- (81) タバコ・リングスポット・ウイルスのわが国における存在 (ウイルス病(昭和40年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- ウキクサに対する数種ウイルスの寄生性
- (22) ウキクサに対する数種ウイルスの寄生性の検討 (昭和39年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- (267) インドネシアのマングビーンに発生した black gram mottle virus とその種子からの検出 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (201) タイ国に発生したcowpea mild mottle virusのコナジラミ伝搬と若干の性状について (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (239) ダイズの永続型アブラムシ伝搬性ウイルスIndonesian soybean dwarf virusについて (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (206) タイで発生したmungbean yellow mosaic virusについて (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (19) タイのダイズに発生した Indonesian soybean dwarf virus と peanut mottle virus (夏季関東部会講演要旨)
- (32) ラテックス凝集反応によるダイズモザイクウイルスの簡易診断 (昭和60年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- (139) ダイズモザイクウイルス5系統の純化と血清学的関係 (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (4) タイ国のマングビーンより分離されたbean common mosaic virus (秋季関東部会講演要旨)
- (200) タイ国に発生するSoybean mosaic virus (SMV)について (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (241) スイカから分離されたtomato spotted wilt virus感染植物の細胞内所見 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (6) スイカから分離されたtomato spotted wilt virusと他の分離株との関係 (秋季関東部会講演要旨)
- (208) 緑豆(Vigna radiata)におけるCMVの種子伝染 (昭和53年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 緑豆(Vigna radiata)における1キュウリ・モザイク・ウイルスの種子伝染
- (132) ヒオオギのウイルス症状株から分離された病原ウイルスについて
- (162) ELISA法および電顕によるトマト黄化えそウイルスのヌクレオカプシドの検出 (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (21) スイセンから分離されたウイルス : 第6報 Arabis mosaic virusについて (秋季関東部会講演要旨)
- わが国におけるアマリリスモザイク病の病原ウイルス
- 植物ウイルスを媒介する土壌中の菌類について(いま話題の土壌微生物)