パターン検出器の高速化と高度化のためのHough型変換系の拡張的再構築

概要

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直線パターン検出器としてのHough変換は,ρ=x-cosθ+y-sinθのような変換関数の表現形式を必ずしも要請しない.本論文では,基本的にはこのような正規表現形式の枠内で,直線検出器を構成できるHough型変換関数の存在を明らかにし,これを拡張Hough型変換関数系と呼ぶことにした.具体的には,拡張Hough型変換関数の満たすべき条件を明示的に示すことができ,さらに,実際のHough型変換関数の例を示すことができた.また,Hough放物線関数を始め,拡張Hough型変換関数の具体例も明らかにした.拡張Hough型変換関数を導入すると,極めて高速なHough変換型直線検出器が構成できることも示し,実用面での意義も明らかにした.一つは,区分的Hough直線関数を用いた区分的Hough変換法(PLHT),もう一つはHough曲線を加算演算のみで生成する,インクリメンタルHough変換法(FIHT2)で,いずれもアセンブラ言語レベルで,4〜6倍の高速化が確認された.直線検出器の検出感度特性などの基本的性質についても考察し,所望の検出感度特性を持つ直線検出器の設計法についての方法提示を行い,最後に,今後の課題も指摘した.
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-10-15