プリアセンブリ言語ADT-RASM86とそのデータ抽象化機構
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概要
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一般にアセンブリ言語は,実行効率は良いがプログラム作成効率が低い.本論文では,アセンブリ言語によるプログラミングの生産効率を上げるために,これにデータ抽象化を導入することを提案し,非常にコンパクトな機構でそれが実現可能なことを示す.ところで,データ抽象化をアセンブリ言語に導入すると,高級言語への導入とは違った問題が生じる.それは,データ抽象化を導入すると,a)実行時に多少のオーバヘッドが存在する,b)記憶の使用効率が悪くなる,c)デバッグが困難になる,という点である.前者の2点を解決するために,抽象データ型の形式として複合型パッケージを提案する.複合型パッケージでは,その中で関連した複数の型を定義する.したがって,記憶上の操作を細かな単位で行うことができるので,記憶効率・実行効率が良くなる.c)を解決するために,対象物の先頭部分に対象物の属性を格納したヘッダを付け,実行時チェックをできるようにする.これらの方針のもとにマイクロコンピュータ用のオペレーティングシステムであるCP/M-86のアセンブリ言語であるRASM86へのプリプロセッサとして,ADT-RASM86を作成した.本論文では,アセンブリ言語という低水準の口語にも,データ抽象化が非常に単純な方式で実現可能であることを,ADT-RASM86の実現例から示し,そのデータ抽象化機能の実現方法について示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1987-10-15
著者
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