非多様体位相の隣接関係の表現と操作

概要

論文の詳細を見る
3次元の形状処理技術では,従来,2次元多様体に基づくソリッドモデルが中心的存在であった.しかし,多様体立体が集合演算に関して閉じていないことや基本的に1つの空間しか表現できないことなどの理由から,非多様体モデルの必要性が認識されてきた.これまでに提案された非多様体位相の表現法では,複雑になった位相要素間の隣接関係を表現するために様々な位相要素やポインタが新たに導入された.しかし,それら付加的な位相要素やポインタは比較的アドホックに与えられており,表現力の必要十分性や効率性については議論されていなかった.一方,データ操作の点では,オイラー操作の拡張法がいくつか提案されている.しかし,これらの拡張法は,基本的な位相要素の個数についての制約を与えるオイラー式に基づいており,付加的な位相要素の増減に関しては何の指標も与えなかった.本研究では,以上の点を踏まえて,非多様体モデルの計算機内表現と操作法について検討する.'隣接位相要素'という概念によって,表現法と操作法の両方の問題を整理することに成功した.
一般社団法人情報処理学会の論文
1991-06-15