分散共有メモリシステム上にソフトウェアによって構築されたキャッシュシステムの静的制御

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本研究では, 分散共有メモリシステム上にソフトウェアによって構築されたキャッシュメモリシステムについて, キャッシュ制御命令をアプリケーションコードに挿入するプリプロセッサによるプログラム最適化の効果を調べる. 本研究で利用するキャッシュメモリシステムは, 並列C言語Split-Cのライブラリにより, 各プロセッサのローカルメモリ上に構築されたものであり, ハードウェアの支援をまったく必要としない. これに対してプリプロセッサは, アプリケーションのデータ依存関係を解析し, その結果を利用してキャッシュ制御命令をアプリケーションコードに挿入する. また, ソフトウェアによって構築したキャッシュメモリと大域メモリで構成されるメモリ階層に対してRISC計算機におけるキャッシュメモリを考慮したプログラミング技術を適用することにより, ソフトウェアによるキャッシュメモリシステムの効率向上を図る. 本稿では, このようなシステムを分散メモリ型並列計算機CM-5上に構築し, 計測を行った. 実験には, 3種の基本的なアプリケーションを利用し, ソフトウェアによるキャッシュの効果, プリプロセッサによる効果, およびキャッシュメモリを考慮したプログラミング技術による効果について計測し評価した. その結果, 16プロセッサ上の並列行列積において, ソフトウェアによるキャッシュ, プリプロセッサおよびキャッシュメモリを考慮したプログラミング技術を利用することにより, 1024×1024の行列における台数効果が13.7となった.
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-15

分散共有メモリシステム上にソフトウェアによって構築されたキャッシュシステムの静的制御

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