(53)SNF1遺伝子はウリ類炭そ病菌の付着器の成熟化および病原性に必要である
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概要
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ウリ類炭そ病菌は,宿主植物あるいはガラス面上などの貧栄養環境において付着器を形成する.我々は,この付着器の成熟化にペルオキシソームが担う代謝機能が重要な役割を果たしていることを明らかにしている.また,出芽酵母のSNF1遺伝子は,グルコース欠乏時におけるcatabolite-repressed遺伝子群の発現に必要であることが知られている.Catabolite repression機構と貧栄養下における付着器形成の関連を調べるため,今回,ウリ類炭そ病菌のSNF1遺伝子(ClaSNF1)の構造および機能解析を行った.他の生物のSnf1の共通アミノ酸配列から設計したプライマーを用いたPCRによって,ClaSNF1遺伝子を分離し構造決定を行った.次にClaSNF1遺伝子破壊株を作出した.ClaSNF1破壊株は病原性を完全に欠失していたため,SNF1は本菌の病原性に必要であることが明らかとなった.破壊株の胞子は発芽後,付着器を分化したが,付着器のサイズおよびそのメラニン化の程度は,野生株と比較して低下していた.したがって,SNF1は付着器の成熟化に関与していることが示唆された.
- 2003-02-25
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