(54)ウリ類炭そ病菌のMAPキナーゼ遺伝子OSC1の機能解析
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概要
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ウリ類炭そ病菌からHog1型MAPキナーゼ遺伝子OSC1を分離し,その機能解析を行った.OSC1遺伝子の全塩基配列決定の結果,Osc1の推定アミノ酸配列は出芽酵母のHog1と80%,イネいもち病菌のHog1型MAPキナーゼOsm1と96%という高い相同性を示した.次にOSC1遺伝子破壊株を作出した.OSC1破壊株は栄養成育,胞子形成,付着器形成,およびキュウリ葉に対する病原性において野生株と同等の表現型を示した.しかし,OSC1破壊株は高浸透圧培地上では,野生株と比べて成育の低下を示した.一方,Phenylpyrrole系薬剤Fludioxonilを含む培地で培養したところ,OSC1破壊株は野生株と比較して顕著な耐性を示した.これらの結果より,OSCl遺伝子がウリ)類炭そ病菌の高浸透圧応答ならびにFludioxonilに対する感受性に関与することが示された.さらに,キュウリ葉への本薬剤との混合接種においては,野生株とは対照的にOSCl破壊株は明確な病斑を形成したため,破壊株は宿主植物への病原性発現過程においても薬剤耐性を示すことが明らかとなった.
- 2003-02-25
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