(35)チューリップに発生したRhizoctonia solaniによる皮腐病(新称)について
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概要
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チューリップ球根外皮に赤〜茶褐色の病斑が生じ,病斑部から亀裂か入り激しく裂皮,重症球でほ病斑部直下の第1鱗茎に黄褐色で周囲が褐色のやや陥没した乾腐病斑が見られる病害が発生した.病斑部からはRhizoctonia solaniやTrichoderma sp.が分離された.これらの菌のチューリップ'白雪姫','黄小町','ネグリタ'に対する病原性を確認したところ,R.solani接種区で原病徴が再現され,同菌が再分離された.分離菌の培養型は濃褐色で輪紋を形成するIII B型であり,AG2-2に属する菌株と高頻度で菌糸融合した.イネ'ハナエチゼン'に接種したところ,褐色紋枯病類似の病徴が認められた.植付前薬剤球根浸漬処理による防除試験ではフルアジナム水和剤,キャプタン水和剤に効果が認められた.チューリップで発生するR.solaniによる病害には葉腐病(AG2-1)があるが,分離菌を接種しても葉腐症状はほとんど認められなかった.R.solani AG2-2 III Bによるチューリップの病害は未記載であるため本病を皮腐病(新称)と呼称したい.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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