(32)ファージ施用によるイネ白葉枯病の発病抑制
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概要
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イネ白葉枯病菌に溶菌斑を形成するファージには,雑草由来の非病原性Xanthomonas campestris(以下Xc)にも溶菌斑を形成するものがある(畔上,1999;畔上ら,2002).そこで,この現象を利用したファージ防除の可能性について検討した.すなわち,PSA平板培地(径9cm)上で10^<3-4>個の溶菌斑のできたXc(スカキビ由来株)菌叢に,滅菌水30mlを加えてファージ感染細菌液(以下ファージ液)を作製し,その発病抑制効果を調査した.まず,温室栽培鉢植えイネ(金南風,草丈約70cm)の葉身をハサミで剪断し,各株に10mlの(1)滅菌水,(2)Xc液(約10^<7-8>cfu/ml),または(3)ファージ液を噴霧により前接種し,次に白葉枯病菌液(約10^7cfu/ml)10mlを噴霧接種した.さらにその後3日間にわたり毎日,同量の滅菌水,Xc液,ファージ液を追加噴霧した.白葉枯病菌接種18日後,剪断部から伸びた病斑長はそれぞれ平均5.1,3.8,0.7cmであり,ファージ液は顕著な発病抑制効果を示した.今後,菌数変化,実用的施用方法,ファージ系統の混合施用等について検討する必要がある.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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