(2)土壌水分量および日射量が非病原性フザリウム菌のバイオコントロール効果に及ぼす影響
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概要
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生物防除の問題点の一つに,実験室や温室から圃場へと栽培環境が複雑化するにしたがって,防除効果が不安定になることがあげられる.宍戸ら(2001)は,トマト萎凋病に対し非病原性フザリウム菌を使ったモデルにおいて,バイオコントロールエージェント(BCA)の接種菌密度と萎凋病発生のロジスティック回帰におけるパラメーターの変化率から,土壌微生物との養分競合によってBCAの防除効果が急激に低下し得ることを示した.一方,養分競合以外に土壌水分や日射などもバイオコントロール効果の不安定性をもたらす要因の候補と考えられ,それらについて調査した.土壌水分量については,高処理区に比べ低処理区で防除効果が低下したが,BCA接種密度との関連性は低く,土壌水分量の変化はバイオコントロール効果に対して影響が少ないと考えられた.日射量については,高処理区に比べ低処理区において防除効果が低く,また病勢進展も速かった.これらの変量とBCA接種密度との関係から,日射量の変化はバイオコントロール効果の不安定性に対して強い影響因子であることが示唆された.
- 2003-02-25
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