977. 海生化石無縦溝珪藻の新属 Koizumia 属
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概要
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化石無縦溝珪藻の新属Koizumiaを, K. tatsunokuchiensis (Koizumi) Yanagisawa, K. adaroi (Azpeitia) YanagisawaおよびK. akibae Yanagisawaの3種を基に設立した.本属は, 近縁のRossiella属およびBogorovia属に似るが, 縁どり隆起 (marginal ridge) の小穴が篩模様の薄膜に覆われること, 胞紋が切頂列および縦走列を作ることなどの独特な形質によって, それらの属とは明瞭に区別される.本属を構成する3種は, いずれも浅海性種で, 主として中緯度地域の沿岸または湧昇域に多産するが, 外洋域には少ない.この点でも本属は, 基本的に外洋性で熱帯-亜熱帯に分布の中心を持つRossiella属およびBogorovia属とは全く異なる.Koizumia属は, 縁どり隆起によって長い鎖状群体を作ること, apical pore fieldを持つこと, さらに各被殻に1つの唇状突起を持つことなどの形質から, キマトシラ科に属するものとみられる.
- 日本古生物学会の論文
- 1994-12-30
著者
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柳沢 幸夫
Geological Survey Of Japan
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柳沢 幸夫
Geological Museum Geological Survey Of Japan
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Yanagisawa Yukio
Geological Survey Of Japan
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