723. 銚子地方産の前期白亜紀二枚貝類
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概要
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千葉県銚子半島南東海岸に沿って露出する銚子層群(バレミアン-アプチアン階)には以前から多くの二枚貝化石が産出することが知られていたが, 分類学的記載が断片的であったため, その全ぼうは必ずしも明らかではなかった。今回, 大吠埼北方の君ケ浜などの産地でかなり保存良好の軟体動物化石群が発見され, 検討した結果, 4新種を含む次の13属・15種を識別したので記載する(共産する腹足類化石は加瀬・前田(1980)に記載されている)。Nuculopsis (Palaeonucula) ishidoensis, Portlandia sanchuensis, Mesosaccella (?) choshiensis sp. nov., Mesosaccella (?) sp., Solemya sp., Grammatodon (Nanonavis) yokoyamai, Pinna (Pinna) sp., Pterotrigonia (Pterotrigonia) pocilliformis, Astarte (Astarte) subsenecta, Laevicardium (?) sp. aff. L. (?) ishidoense, Rasatrix suzukii sp. nov., Caestocorbula shikamai sp. nov., Caestocorbula minima sp. nov., Corbulomima sp. cf. C. nuciformis, Plectomya aritagawana.これらの種の一部は関東山地の石堂層や西南日本外帯の下部物部川層群に産する既知種であるが, 保存良好の標本によって種の特徴がより明確となった。今回採集できなかったが従来銚子層群から産出し図示されている標本をあわせて検討したところ, 本層群から産する化石二枚貝は32属36種に達することが判明した。これらを本邦他地域の同時期の化石群と比較すると, 関東山地の石堂層の二枚貝群に最も類似度が高いが, 鹿間・鈴木(1972)による長崎港の1産地の採集品は宮古層群に共通する種をかなり多く含んでいる。
- 日本古生物学会の論文
- 1980-12-30
著者
-
速水 格
University Museum, University of Tokyo
-
大路 樹生
Geological Institute Faculty Of Science University Of Tokyo
-
大路 樹生
Geological Institute University Of Tokyo
-
速水 格
東京大学
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