相模湾,駿河湾,遠州灘および熊野灘の有柄ウミュリ相

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概要

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• 日本列島近海の有柄ウミユリ類は他地域と比較して多様度が高く,約80種のうち14種が確認されている.相模湾から駿河湾,遠州灘,熊野灘にかけての海域が西太平洋における有柄ウミユリの分布の北限であり,ここにはMetacrinus rotundus,M. wyvillii,Hypalocrinus naresianus,Endoxocrinus alternicirrus,Phrynocrinus nudusの5種が分布している.著者らの調査により,これら5種の分布に関して新しいデータが得られた.特にH. naresianusはこれまで熊野灘以西では記録があるが,今回初めて遠州灘で採集された.日本近海を含む北西太平洋のゴカクウミユリ亜科ではMetacrinusおよびSaracrinusが種数の上では優先的である.この2属のうちMetacrinusは種ごとの分布域が,比較的狭くパッチ状に点在し,かつ生息深度が浅い傾向がある.一方,Saracrinus, HypalocrinusおよびEndoxocrinusはそれぞれ1ないし2,3種のみ生息しているが,それぞれの分布範囲はMetacrinusに比べて広く一様で,生息深度も深い.Metacrinus属の種類が多い要因として,繁殖戦略による幼生期の分散能力の違いが可能性として考えられる.

• 国立科学博物館の論文
• 2006-03-27

著者

• 大路 樹生

  東京大学大学院理学系研究科

• 北沢 公太

  東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻

• 大路 樹生

  Geological Institute, Faculty of Science, University of Tokyo

• 大路 樹生

  Geological Institute University Of Tokyo

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