674. 白亜紀二枚貝 Neithea の形態と本邦産種の分類学的再検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Neitheaは特徴ある規則的な放射肋と現生のPectenに比較される形状を持ち, 放射肋の系統的発達と適応形態を考察する上に興味深い素材である。また, その内層は現生のPectinidaeと異なりアラレ石から形成されていたと考えられ, 同科の殻構造の進化を理解する上に重要と考えられる。日本各地の下部白亜系に産するNeitheaについて, ヨーロッパの種との比較研究にもとづいて分類学的特徴を再検討し, 一部の種の分類名の改訂を行なった。牡鹿半島の鮎川層に産した新種N. altaはおそらく本属最古の種で, 二つのオーダーの放射肋が分化する過程を示している。N. atavaは世界的に広く分布する種で, 日本ではN. kanmeraiと呼ばれていた種がこれに相当するが, 最近大分県の佩楯山層と和歌山県の有田層から良好な標本が得られたので再記載する。
- 日本古生物学会の論文
- 1977-04-30
著者
-
速水 格
University Museum, University of Tokyo
-
野田 雅之
Wasada Junior High School
-
速水 格
Geological Institute, University of Tokyo
-
速水 格
Geological Institute University Of Tokyo
-
Hayami I
Geological Institute University Of Tokyo
関連論文
- 727. 久慈市沖の海底から採取された砂岩中のセノマニアン軟体動物化石
- 653. 北海道産 Inoceramus labiatus について
- マダガスカル産カンパニアン・イノセラムス(その 2)
- マダガスカル産カンパニアン・イノセラムス(その 1)
- 550. 青梅市郊外に発見された三畳紀 Oxytoma 層
- 683. チリー北部ドメイコ山地の三畳紀後期二枚貝および腹足類
- 935. 琉球諸島から発見されたピクノドンテ属の隠生種 : 生きている化石カキ
- 522. 四国南部の四万十川層群から産した古白亜紀二枚貝群
- 864. 西日本の下部ジュラ系産のテチス系二枚貝 Posidonotis dainellii
- 859. Propeamussium の内肋の機能的および分類学的意味
- 674. 白亜紀二枚貝 Neithea の形態と本邦産種の分類学的再検討
- 549. 西日本下部ジュラ紀層から Tutcheria の産出
- 723. 銚子地方産の前期白亜紀二枚貝類
- 721. 北海道上部白亜系から発見されたイノセラムスの新種について