千葉県大原港内に出現するクルマエビ属ポストラーバについて
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概要
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千葉県大原漁港内で1982〜1984年の3ケ年間にわたって,夜間懐中電灯光に集ってくる稚仔魚類を採集している際に,多くのクルマエビ属ポストラーバを得た。ポストラーバは5月から10月にかけてみられ,特に7月中旬から9月中旬にかけて多く出現した。採集したポストラーバは3種からなりその総数は1,130匹に達した。それらの中でクルマエビ(Penaeus japonicus)が最も多く全体の93.5%を占めた。次いで多かったのはクマエビ(P.semisulcatus)で3.8%を占め,ウシエビ(P.monodon)は最も少なく2.7%であった。それらの頭胸甲長(CL)のモードはそれぞれ1.7, 1.7, 2.6mmでウシエビが最も大きかった。以上3種の内,クルマエビが最も多く出現したのは,その成体の調査地点近海での分布状況から判断して十分うなずけることであろうが,一方熱帯系のウシエビが毎年出現していたことは同種の分布・生態面から注目に値する事実と思われた。
著者
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