高所住民の動脈血酸素飽和度および心拍数の特性について

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高高度における安静時動脈血酸素飽和度(Sp0_2)および心拍数について、高所適応している人を対象に性差および年齢の影響について検討し、さらに高所適応していない人との比較を行った。被験者は、標高2,600〜4,780mに住んでいるネパール人29名(男性18名および女性11名)および高所適応していない日本人3名であった。測定は2002年7月から8月までヒマラヤで行い、次のような結果を得た。(1)高所住民のSp0_2は標高が高くなるに従い低下したが、性差は観察されなかった。(2)高所住民の心拍数は標高が高くなるに従い増加傾向を示したが、性差は観察されなかった。(3)高所住民の青年層(26.2±8.2歳)と中年層(49.2±5.7歳)のSp0_2を比較すると、両者には有意差は認められなかった。(4)高所住民のSp0_2は日本人よりも高い値を示した。(5)高所住民には高所と心拍数には有意な正の相関関係が認められたが(p<0.05)、日本人にはそのような関係は認められなかった。以上の結果は、高所適応している人の安静時SpO_2および心拍数には、性差および年齢差はほとんど影響しないことが示された。また、高所適応している人はそうでない人と比較してSpO_2は高く、また心拍数は登高に比例して増加することが明らかになった。
尾道大学の論文

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