歯車の負荷高速度囘轉に關する研究第1報 : 歯車の精度と歯切法に就て
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概要
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各種の歯切機械即ホッビングマシン、ギャーシェパー、ミリングマシン及グラインディングマシン等によつて製作したる處の正歯車の精度即歯形、ピッチの誤差及偏心距離等を精密に測定した。測定機はソシエテ、ゼネボアス會社製の歯車試験機に東京工業大学機械工学科工作實験室に於て改良を加へたものを用ゐた。試験に供した歯車はピッチ圓の直徑6″及3″、D.P.(ダイヤメトラルピッチ)は6、10及14の各種で歯車の幅及軸の直徑は何れも1″である。歯車は内地の著名なる専門工場より寄贈されたもの多く從つて歯切機械及工具等も内外の主なる専門工場に於て作られたものである。是の様な歯車を精密に研磨仕上をした正確なるラックと噛み合ひをなさしめ、理論上正しいインボリウト歯形が此ラックと噛み合ひをなす場合に對する誤差を測定した。其結果最も精度高きはグラインディングマシンで研磨したものであつて平均誤差は僅かに0.001mm以下で殆ど理想的の噛み合ひをする。ホッビングマシンにて歯切したものゝ平均誤差は0.010〜0.043mmで其範囲廣く又ギヤーシェーパーによるものは0.015〜0.028mmで歯の形は根元厚く歯先が痩せた特長を有する。ミリングマシンによるものは0.018〜0.043mmで誤差最も多く歯の形状はシェーパーによるものと相似である。ピッチの誤差及偏心距離に就ては同一種類の歯切機械で歯切したものに就いても結果は一様でなく、ホッビングマシン及ギヤーシェーパーで歯切りしたものに非常に良いものがあるが、自働ミリングマシンによるものも同様に良い成績を示し、又普通のミリングマシンによるものにも著しい不良な結果は現はれず反つてシェーパーで歯切せるものゝうちに最も不良な例があつた。
- 一般社団法人日本機械学会の論文
- 1931-04-01
著者
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