新案工作機械用刄物試驗機に就て
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概要
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従來主として使用せられて居る工作機械用刄物試驗機には液圧式及び圧電気式の二種類がある。液圧式は使用法が簡便であるが、刄先が力を受けたとき著しく沈下する缺點があり、圧電気式は取扱法が複雜な上に電気漏洩を起す傾向が大きい。新案試驗機は全く機械的方法によるもので、工作物切削の際刄先に加へられる力により横断面矩形の捩〓〓を捩り、この捩れを擴大して切削力を測定するものである。従つて本機は構造簡單且使用法も極めて便利であつて、實驗室用竝に實地工場用として等しく用ひ得る物である。本試驗機は刄先の沈下が極めて少く、獨逸製某液圧式試驗機に比し、次の様な優秀な成績を示して居る。即試験機の記録ペンの振れが例へば20mmの場合に新案試驗機の刄先の沈下は第一支點に於ては液圧式のものゝ37・5%, 又第二支點にては21・0%である。尚新案試驗機は捩〓〓を取替へるか、或ほ擴大率を變じて感度を容易に變じ得る便がある。較正曲線は直線となり、加重と滅重に於て差が極めて少く、且時日が經過しても其値が變化しない。論文に於ては尚本試驗機により軟鋼二種、鑄鐵、砲金、銅、アルミニゥム、ベークライト及びエボナイト等に就き切削面積1・26mm^2,0・945mm^2,0・623mm^2,0・315mm^2の4つの場合に送りと切込みの割合を種々變じて切削力竝に切削應力を測定し、以て本機の實用價値を明にしたのである。
- 一般社団法人日本機械学会の論文
- 1932-09-01
著者
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