SLEの血清補体価に関する研究
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概要
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SLEを中心として血清補体価の検索を行い, 次の結論をえた.1).著者らが検索しえた自己免疫疾患のCH50はSLE, 関節リウマチの関節液で最も低値を示し, ついで橋本病が低く, Behcet病, preangiitis syndromeはやゝ高値を示し, 他の疾患はほゞ正常範囲であった.2).SLEのCH50は急性期には極度の低値を示し, 寛解期にも正常以下を示す例が多い.検査成績では蛋白尿, LE細胞, 抗核抗体のstaining pattern, 抗核抗体価, DNA抗体価, と相関を示し血中DNA量, 抗補体作用とは相関を示さなかった.3).SLEの血清補体分画では急性期にはC1, C4, C2, C3, β_<1C>/β_<1A> globulinいずれも極度の低値を示したが寛解期には正常範囲を示す例も多い.4)SLEのCH50および各分画は治療により漸次並行して上昇する.急性期ではステロイド治療により漸次上昇し, 少くとも正常値に恢復する迄に4〜6ヵ月を必要とする.寛解期のものはステロイド治療によってもCH50の変動が少い.ステロイドの維持量をprednisolone 10〜15mg/day以下にするとCH50は再び低下の傾向を示す.5).SLE血清の抗補体作用の原因の1つとしてDNAが関与していることを証明しえた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1971-03-30
著者
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