日本産淡水カイミジンコChrissia vittata sp. nov.について
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概要
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鹿児島県南部より発見された炭水カイミジンコの1新種,シマホソカイミジンコChrissia vittata sp. nov.を報告する。体長1.5cm,高さその3/8,幅1/4。殼は上から見ると紡錘形,横から見ると長じん臓形,表面に顕著な4横縞があり,殼縁に隔壁がない。第2触角の遊泳剛毛は末端爪を少し越える。小顎の触鬚の末節第3節よりも長い。尾叉は幾分左右非相称,右尾叉は太く,少し曲がり,背縁に約100個の小歯が並ぶ。左尾叉は幾分細く,真直ぐ,背縁に小歯がない。尾叉付着物は先端近くに三角状の付属物を有す。♂はいない。この種は,Chrissia halyi(FERGUSON, 1969)とC. formosa(KLIE, 1938)によく似る。件の良い時期に室温で飼育した場合,卵は生まれて2日後に孵化,第1幼生1日,第2〜7幼生各2日,第8幼生3日を経て,成体になる。成体は,2日後から産卵を始め,最初の1ヵ月間は1日5〜30個,次の1ヵ月間は1日数個,残りは1〜数日に1〜2個の割合で,合計数百個の卵を生み,約100日後に死ぬ。(第10回動物分類学会大会にて講演)
- 1974-12-14
著者
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