早産未熟児の救命に関する周産期因子
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概要
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早産未熟児の予後とその周産期因子について検討した.対象は1979〜!983年に倉敷中央病院周産母子センターで出生した在胎週数24〜32週の単胎分娩の児45例である.出生時体重は590〜2,000gで,先天奇形を合併した児は対象より除外した.(1)男児の死亡率は女児に比べ高い傾向にあった.(2)在胎週数28〜32週群,出生時体重1,000g以上群の児死亡率はいずれも2.9%であった.児の死因はいずれも重症新生児仮死による羊水大量吸引症候群と頭蓋内出血であった.(3)在胎週数24〜27週群,出生時体重999g以下群の児死亡率はいずれも60%であった.児の死因はRDSと頭蓋内出血であった.これらの群で児の救命に有効な産科的因子はPROM,Betamethasone,本格的な陣痛発来後の帝王切開であった.(4)早産未熟児の救命を左右する最も重要な合併症は新生児頭蓋内出血であった.頭蓋内出血発症の指標となる重要な因子は生後1分のApgar scoreとRDSであった.早産未熟児の予後の改善には出生前に胎児肺の成熟を促進さぜる産科的処置が充分とられる事と,成熟児の場合以上に胎児仮死に対する厳重な分娩管理と適切な娩出方法の選択が望まれる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-12-01
著者
-
高橋 良樹
滋賀医科大学産科学婦人科学教室
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高橋 良樹
滋賀医大
-
浮田 昌彦
倉敷中央病院産婦人科
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浮田 昌彦
倉敷中央病院
-
江見 信之
倉敷中央病院 産婦人科
-
橘 洋一
倉敷中央病院周産母子センター
-
橘 洋一
倉敷中央病院
-
江見 信之
倉敷中央病院周産母子センター
-
高倉 賢二
倉敷中央病院周産母子センター
-
仲田 永造
倉敷中央病院周産母子センター
-
西沢 啓
倉敷中央病院周産母子センター
-
西沢 啓
倉敷中央病院
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