卵巣腫瘍中間群の取扱いに関する臨床的検討
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概要
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当院で初回治療を行つた卵巣腫瘍中間群36例の治療成績から, その取扱いについて検討を行つた. 1. 卵巣腫瘍中間群の初診時進行期はI期29例, II期2例, III期5例と80.6%がI期であり, 過半数がII期以上である卵巣腫瘍悪性群との間に有意の差を認めた. 発症平均年齢は43.6歳であり, 52.8%の症例が40歳以下であつた. 2. 中間群全体の生存率曲線は悪性群I期とほぼ同様のpatternを示した. 3. 中間群I期の5年生存率は他病死の1例を除くと100%と良好で, 保存手術群, 根治手術群の間に生存率の差はなく, 若年症例では妊孕性を考慮しての治療が可能であつた. 4. 中間群と言えどもII期, III期症例では5年生存を果たした症例はなく, 悪性群I期に比しても予後はむしろ不良であり, 加療にあたつては悪性群に準じた積極的な方針, すなわち根治手術+後療法が必要であつた. 5. 以上の取扱い方針に加えて, 卵巣腫瘍の多様性より, 同じ中間群の中にも比較的予後良好の性格のものから悪性群と同等の取扱いの必要な性格のものまでが含まれており, 腫瘍種類に応じた療法が考えられなければならないと考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-11-01
著者
-
高橋 晃
倉敷中央病院
-
布谷 隆明
倉敷中央病院産婦人科
-
布谷 隆明
京都大学 産婦人科
-
浮田 昌彦
倉敷中央病院産婦人科
-
貫戸 朋子
倉敷中央病院産婦人科
-
夏山 知
倉敷中央病院産婦人科
-
浮田 昌彦
倉敷中央病院
-
貫戸 朋子
倉敷中央病院
-
高橋 晃
倉敷中央病院 産婦人科
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