チャイニーズ・ハムスターにおける卵黄嚢腫瘍の誘発とその細胞遺伝学的検討

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概要

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チャイニーズ・ハムスターで卵黄嚢腫瘍を誘発し、腫瘍発生時にみられる細胞遺伝学的変化を同定した。また、誘発腫瘍と正常卵黄嚢の組織化学的ならびに超微構造上の比較から、腫瘍発生母地の検討を行なつた。1)卵黄嚢の子宮壁外転置により、チャイニーズ・ハムスターにおいて33例のうち12例(36%)に腫瘍発生をみた。そのうち10例は3胚葉成分をもつ奇形腫のみのもので、他の2例には奇形腫に混在し卵黄嚢腫瘍の発生を認めた。2)卵黄嚢腫瘍の培養株化に成功した。培養卵黄嚢腫瘍細胞と正常卵黄嚢細胞の組織化学的ならびに超微構造上の類似性から、腫瘍発生母地は卵黄嚢構成細胞であると推測された。3)卵黄嚢腫瘍における染色体変化の特徴は、1p^+マーカー染色体であつた。この1番染色体短腕の過剰が、チャイニーズ・ハムスターにおける卵黄嚢腫瘍の発生に関与する変化である可能性が推測された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-03-01

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