部分奇胎の発生に関する細胞遺伝学的研究
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概要
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当教室において昭和51年9月から, 昭和61年11月の間にQ-染色法による核型分析の可能であった部分奇胎49例を対象とし, さらに, このうち39例については, H・E染色標本により, 胎児成分の有無・絨毛細胞の過形成の有無を調べ, 核型との間の, 関連性を検討し, 以下の結果を得た. 1. 49例のうち, 3倍体が24例, トリソミーが9例, 45, XO・モザイク・転座などの染色体異常が6例, 正常2倍体が10例の割合で認められ, 3倍体が圧倒的多数を占めるとする欧米の諸家の報告との間に大きな差を認めた. 2. 我が国の部分奇胎診断基準(1986)はWHOの診断基準(1983)を認識のうえ, さらに改良を加えたものであるが, 欧米諸家の報告とわれわれの成績との差を検討するためにWHOの診断基準に従い当教室での症例を再分類したところ, 部分奇胎と診断されたのは11例のみで, そのうち3倍体は6例であり, 3倍体が大多数を占めるには至らなかった. このことから, 核型分析の結果に認められた差は診断基準の差によるものではないと判断した. 部分奇胎の発生について現在のところ細胞遣伝学的に明確に説明することはできず, 今後多型分析をはじめとした更なる検討が必要と思われた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-01-01
著者
-
田中 信一
更年期不定愁訴治療研究会
-
和気 徳夫
北海道大学産婦人科
-
大久保 仁
北海道大学医学部産婦人科
-
藤本 征一郎
北海道大学医学部産婦人科
-
藤本 征一郎
北海道大
-
藤本 征一郎
北海道大学 医学部 産婦人科
-
大久保 仁
札幌マタニティウイメンズホスピタル
-
牧野田 知
北海道大学医学部産婦人科学教室
-
田中 俊誠
北海道大学医学部産婦人科学教室
-
相原 稔彦
北海道大
-
田中 俊誠
北海道大学 産婦人科
-
相原 稔彦
北海道大学医学部産婦人科学教室
-
田中 信一
北海道大学医学部産婦人科学教室
-
相原 稔彦
北海道大学医学部 産婦人科学講座
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