Gonadotropin Resistant Ovary Syndromeに対するKaufmann療法およびHMG大量療法について
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概要
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hypergonadotropic hypogonadismに対する有効た治療法はほとんど報告されていない.われわれは原発性または続発性第皿度無月経症のうち, 血中FSH, LH, Estradiol(E_2)値のRIAでの測定, laparoscopyによる検索および卵巣生検により, gonadotropin resistant ovary syndromeと診断した3例に対して数 cycleのKaufmann療法に続いて大量のHMG投与を行つた.初診時, 3例のFSH値はそれぞれ23.3, 142, 154mIU/ml(2nd-IRP-HMG), LH値は127, 147, 174mmIU/ml, E_2値は49.4, 38.5, 21.6p9/mlであつた.3例とも染色体分析では46XXで正常であつた.LH-RHtestのパターンは高値を示し, menopausal womanの型を示した.これらの症例のlaparoscopy所見はhypoplastic ovary またはatrophic ovaryであつた.1例の卵巣生検ではprimordial follicleが多数認められた.症例1はHMG4V/日〜7V/日, 合計97vial投与で血中E_2値は2933pg/mlに上昇し, その後, 血中Progesterone(P)値は14.4ng/mlに上昇した.症例2ではKaufmann療法を3cycle行つた後, HMGを5V/日3日問, 4V/日7日間投与したところ, 血中E_2値264pg/ml、その後P値32.3ng/mlまで上昇し, 排卵誘発に成功した.症例3ではKaufmann療法3cycle後HMGを5V/日7日間投与すると, 血中E_2値は78pg/mlまで上昇し, その後さらにKaufmamm療法1cyc1・後, HMGを5V/日7日間投与すると血中E_2値は791pg/m1に上昇し, 週RTが高温相に移行し, 自然月経周期が回復し, 8ケ月後, 自然妊娠が確認された.重症無排卵症, とくにhypergonadotropic hypogonadism のなかには, 以上のようにgonadotropin resistant ovary syndrome と思われる症例が含まれていると考えられ, それらの症例に対し, Kaufmann療法後, HMG大量投与により排卵誘発に成功する例もあることがわかつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-02-01
著者
-
吉田 耕治
九州大・生医研
-
立山 浩道
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
-
宇津宮 隆史
九大 生体防御医研
-
宇津宮 隆史
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
-
山口 省之
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
-
片桐 英彦
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
-
門田 徹
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
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吉田 耕治
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
-
吉田 耕治
九州大学生体防御医学研究所生殖生理内分泌学部門
-
門田 徹
九州大学生体防御医学研究所産婦人科
-
宇津宮 隆史
A-part日本支部卵子保存臨床研究
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