Human Menopausal Gonadotropin排卵誘発時における血中estradiol-17β値の動態に関する研究
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概要
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hMGにより排卵誘発し得た排卵障害婦人9例,27周期のうち,可及的連続採血が可能であつた23周期の血中estradiol-17β(E_2)の動態を観察し,hMG排卵誘発時のmonitoringのcriteriaについて検討を行つた. 1) hMG投与時の血中E_2は,縦軸に対数目盛をとつた片対数グラフにプロットすると,ほぼ直線的に上昇し,正常卵胞期における血中E_2の増加よりも急角度で上昇していた. 2) hMG排卵時の血中E_2値は150〜4,000pg/ml以上にも達し,正常排卵期におけるE_2値をはるかに上まわるものが大部分であつた. 3) hMG反復投与時の血中E_2動態は,各症例によりほぼ一定の上昇傾向を示したが,頚管粘液による卵胞成熟徴候の把握では,排卵時E_2値にバラツキがみられた. 4) hMG排卵妊娠成立周期とhMG排卵非妊娠周期とにおける排卵期E_2値の間には差異をみとめなかつた.また,単胎妊娠例と双胎妊娠例の排卵期E_2値の間にも差異をみとめなかつた. 以上のことから,hMGによる排卵時には,正常性周期婦人における内因性FSH, LHによる卵巣の刺激状態と異なつた刺激状態となり,同程度にmaturateした多数のactive follicleが存在しているため,高estrogen状態を示しているものと考えられる.したがつて,hMG排卵誘発時における安全かつ確実な排卵を期待し得る血中E_2のレベルは,正常排卵期におけるレベルより比較的高い値,すなわち300pg/ml以上の値であり,しかも個体差のある範囲であることが推察された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-11-01
著者
-
立山 浩道
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
-
宇津宮 隆史
九大 生体防御医研
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宇津宮 隆史
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
-
梶原 健伯
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
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山口 省之
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
-
門田 徹
九州大学温泉治療学研究所産婦人科
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