産婦人科領域における血清Diamine Oxidase(DAO)活性について
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概要
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正常および異常妊婦,さらに種々の婦人科的疾患を有する婦人について,その血清中Diamine Oxidase(以下,DA0と略)活性を測定し,以下の成績をえた.1)正常妊婦では,妊娠2カ月において,すでに非妊時より有意の増加を示し,それ以後は徐々に増加して,妊娠4カ月でplateauに達し,分娩までほぼ同値を持続した.2)分娩後は,授乳の有無によって異なり,非授乳群では,産褥1カ月でほぼ非妊時のレベルに復した.一方,授乳群では,分娩後の期間の長短にかかわらず授乳中は非妊時より高値を持続した.3)異常妓娠時には,一般に血清DAO活性値は低値となる傾向がうかがわれた.しかし,正常群に比べて,有意差を認めたかった.4)両側卵巣摘出後は,血清DAO活性値の増加傾向がみられ,この傾向は摘出後の時闘的経過と共に,著明となる傾向がみられた.5)経口避妊薬の服用群では,その血清中DAO活性値が,異常高値を示した.6)癌性腹膜炎患者でも,5)と同様の傾向を示した.以上の成績より,血清中DA0活性は,従来から報告されている様に,そのすべてが胎盤由来とは考えられず,少なくとも一部は,性ステロイドホルモン動態や中枢レベルにおけるHistamine 代謝を介して,Gcma-dotropinあるいはProlactin分泌動態と密接た関連性を有するものと思われる.さらに,腸(特に小腸)組織におけるDAO活性の産生動態にも注目しておく必要があるものと考えられる.
- 1980-04-01
著者
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