ラット子宮および卵巣内Monoamine Oxidase活性の加齢および誘発排卵にともなう変化について
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概要
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幼若ラット子宮および卵巣内Monoamine Oxidase(以下MAOと略)活性について,生化学的ならびに組織化学的に検討を加え,さらに,Gonadotropinによる排卵誘発前後の卵巣内MAO活性についても検討を加え,以下の成績をえた. 1) 子宮内MAO活性は,生後25日目において,すでに発情期成熟ラットのそれと同程度(約90%)の活性を有し,以後加齢と共に徐々に増加した.しかし,腟開口前後で著変を示し,特に腟開口後期では,腟開口前期の約60%に減少した. 2) 卵巣内MAO活性は,生後25日目においては,発情期成熟ラットのそれの約15%程度の活性であり,以後加齢と共に徐々に増加し,腟開口前後で著変を示さなかつた. 3) PMSとHCGによる排卵誘発後,卵巣内MAO活性は対照(生食投与群およびPMS単独投与群)の約2倍に増加し,この場合type B MAO/type A MAO比も約2倍に増加した. 以上の結果から,ラット子宮内MAO活性は,生後25日目の時点ですでに成熟ラットのそれと同程度の活性を有し,性ステロイドホルモン(特にエストロゲン)作用により,その活性が変化するものと思われる.一方,卵巣内MAO活性は,生後25日目の時点では極めて低く,卵巣の成熟と共に増加するものと思われるが,特に排卵後増加する傾向が認められ,MAOの基質であるMonoamines(以下MAと略)が卵巣レベルで直接的に排卵機構に何らかの形で関与する可能性が示唆された.
- 1978-12-01
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