雌性ラット視床下部・下垂体および生殖器系におけるMonoamine Oxidase活性について
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概要
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雌性ラット視床下部・下垂体・卵巣・卵管および子宮内Monoamine Oxidase(以下MAOと略)活性を,Hendley and Snyderの原法に従い生化学的に蛍光定量法にて検討した結果,以下の成績がえられた.1)視床下部内MAO活性は,全性周期を通じ発情期に有意に増加することを認めた.2)下垂体内MAO活性は,各性周期内に有意差を認めずほぼ一定であつた.3)卵管内MAO活性も,発情期に有意に増加することを認めた.4)子宮内MAO活性は,基質としてTyramineを使用した場合,発情期に有意に低下した.一方,OctopamineまたはPhenylethylamineを使用した場合には軽度の低下傾向は認められたが有意差はなかつた.さらに,type B MAO/type A MAO比をみると発情前期では1.5745,発情間期では1.5287であり,発情期には1.8514と増加した.5)卵巣内MAO活性は,基質にTyramine,PhenylethylamineまたはOctopamineを使用した場合,発情期において有意に増加する傾向が認められた.また,type B MAO/type A MAO比をみると発情前期では0.9151,発情間期では0.9565であり、発情期には1.1353と増加した.以上の観察結果から,ラット視床下部・卵管・卵巣および子宮内MAO活性はその基質たるMonoamine代謝を介して,性周期と密接な関連性を有するものと思われる.特に,子宮内MAO活性は,type A MAOとtype B MAOとでsteroidに対する sensitivityが異なるものと思われ,そのためにその比率が周期によつて変動するものと思われる.また,卵巣内にも両typeのMAOが存在し,両type共性周期によつて変動するものと思われるが,就中type B MAOがより大きな変動を示すものと考えられる.
- 1978-02-01
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