雌性ラット生殖器内Monoamine Oxidase活性に対するReserpine, DOPAおよびDopamineの効果について
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概要
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雌性ラット生殖器系に局在するMonoamine Oxidase(以下MAOと略)の酵素活性調節因子を明らかにする目的で,MAO活性に対するReserpine, DOPAおよびDopamineの影響を組織化学的に検索した結果,以下の成績がえられた. 1) 去勢ラットでは,子宮内膜内MAO活性は減弱するが,Reserpine (5 mg/kg)投与によりその傾向はさらに著明になつた.一方,非去勢ラットではReserpineの影響はみられなかつた. 2) ReserpineとEstradiol benzoate (5 mg/kg)の併用投与実験では,去勢ラット,非去勢ラットいずれにおいても,内膜内MAO活性はほぼ完全に消失した.従つて,EstrogenにはMAO活性を抑制する作用があるものと考えられる. 3) ReserpineとProgesterone (50mg/kg)の併用投与実験では,去勢ラット内膜内MAO活性は,Reserpine単独投与の場合に比べて,著明に増強したが,非去勢ラットの場合には,明らかな増強効果は認められなかつた.従つて,ProgesteroneにはMAO活性を増強する作用があるものと思われるが,その作用が画一的でないことから,その作用機序はEstrogenの抑制機序とは相違するものと思われる. 4) DOPA (250mg/kg)投与後,内膜内MAO活性は増強し,Dopamine (25mg/kg)投与後では減弱したが,この様な所見は,去勢ラット,非去勢ラットいずれにおいても同様であつた. 5) 以上の各変化は,卵巣各部位,卵管および子宮筋層では著明ではなかつた. 以上の観察結果から,ラット子宮内膜におけるMAO活性は,組織内あるいは血中Monoamines(以下MAと略)濃度により影響をうけるとともに,性ステロイドホルモンによつても影響をうけるものと考えられるが卵巣,卵管および子宮筋層内MAO活性に関しては,この様な影響は少ないものと考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1976-08-01
著者
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