母親の加齢上よりみた胞状奇胎発生頻度とその続発(破壊性胞状奇胎・絨毛癌)について

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母親の加齢と奇胎の発生頻度を中心に,破奇や絨毛癌の発生頻度と母齢との関係について検討した.また奇胎除去後の尿中HCGの消退期間と母親の年齢との関係についても検討し,以下の結果を得た.1)1974〜1976年の札幌市の妊娠数は107,821で奇胎教は223で,その発生頻度はO.20%であったが,母齢が35〜39才ではO.22%,4O〜44才でO.40%,45才以上では5,08%で,35〜39才てやや増加傾向,40〜44才で34才以下の2倍以上(p<O.02),さらに,45才以上では25倍以上の驚異的な発生増加を認めた(p<0,001).2)1974〜1976年の札幌市の奇胎は502例が報告され,破奇,絨毛癌の発生率はその12.2%であった.年齢別頻度は,35〜39才で42.9%と34才以下に比し顕著な上昇を認めた(p<0.01).また,これとは別に北大産婦人科教室で病理組織学的に確認された破奇41例,絨毛癌22例の年齢別発生頻度の観察でも,これと同様の傾向を認め,40才を越えると発生率を急上昇する傾向を認めた.3)奇胎娩出後の尿中HCGが1,000IU/L以下になるまでの日数を,34才までの婦人と35才以上の婦人と,35才以上の婦人で比較したが,20日以上を要するものは,34までの群では43例中5例であるのに比し,35才以上では14例中7例と35才以上の婦人にはHCG値の低下が遅延することを認めた(p<0.01).
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1979-01-01

母親の加齢上よりみた胞状奇胎発生頻度とその続発(破壊性胞状奇胎・絨毛癌)について

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