ラット下垂体前葉における合成LH-RHの作用: Short time incubation における gonadotropins の分泌

概要

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下垂体における gonadotropin (LHおよびFSH)分泌能を解明するために, short time incubation 実験を合成 LH-RH 負荷の下に行なった. すなわち, Wistar 系成熟雌性ラット下垂体前葉を, 0.2%glucoseを含む Krebs-Ringer bicarbonate buffer, pH 7.4中にて incubate した. 60分の preincubationの後, 種々の濃度の合成 LH-RH 負荷を行ない, medium 中に放出されたLHおよびFSHを二抗体法による radioimmuno-assay にて測定した. なお, 60分毎に同濃度の合成 LH-RH を含む medium と交換し, 5時間にわたって incubation を行なった. この実験により, 次の結論が得られた. 1) 対照群では, LH, FSHともに毎時ほぼ一定の割合で放出がみられた. 2) 合成LH-RH 1ng/ml 負荷群, 10ng/ml 負荷群, 100ng/ml 負荷群ともに, 対照群に比較して, LH, FSHの放出量の増加が認められた. 3) その増加の程度は, LH, FSHともに10ng/ml 負荷群において最大であった. 4) 100ng/ml 負荷群では, 10ng/ml 負荷群に比較すると, かえって放出が抑制される傾向が認められた. 5)また, 時間的経過に伴なう放出量の変動をみると, いずれの負荷群においても, incubation 1〜2時間に最大の放出を示した.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1974-01-01