ヒト子宮内膜癌培養細胞(HEC-1)の周期同調による細胞表面構造の変化について

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同調培養法によってヒト子宮内膜癌培養細胞の各細胞周期を固短し,その細胞表面構造を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し,次の結果をえた.1)M期の細胞形態は,小型で円形を呈した.この時の細胞の大きさは,10〜15μmで細胞周期のうち最小となる.Filopodiaは,細く真っすぐに伸びもっとも長くなり,かつBlebsはもっとも多くなった.2)G_<0+1>期に入ると,細胞形態は円形から楕円形,さらには多形へと変化した.Filopodiaの先端は崩壊して徐々に短くなり,Blebsも少なくなった.背反的にMicrovilliが出現しはじめた.RufHesは,細胞周期のうち,この時期にのみ観察された.3)S期では細胞形態は細長く変形し,大きさは30〜50μmでもっとも大きくなった.Filopodiaは短く新生し,BIebsはまったく観察されずMicrovilliはもっとも長くかつもっとも多くなった.4)late G_<1>期とearly G_<2>期の鑑別点は,細胞形態上多形となりMicrovilli, Blebsの共存は,いずれにも共通しているが,late G_<1>期ではRufflesを観察することができた.これにたいして,late G_<2>期ではRufflesはみられず,短いFilopodiaの新生と太くて屈曲したFilopodiaを観察した.5) early G_<1>期とlate G_<2>期の鑑別点をみると,細胞形態は小型となり円形を呈する.Blebsの存在は,いずれにも共通していえるが,early G_<1>期ではFilopodiaの先端の崩壊がみられたのにたいし,late G_<2>期ではFilopodiaは太くあるいは屈曲を示していた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1987-04-01

ヒト子宮内膜癌培養細胞(HEC-1)の周期同調による細胞表面構造の変化について

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